ゴミ屋敷を自力で片付けていく中で、誰もが必ず直面するのが、キッチンや冷蔵庫に眠る、大量の期限切れ食品との戦いです。カビの生えたパン、異臭を放つ調味料、何年も前に賞味期限が切れた缶詰の山。これらは衛生的にも危険なだけでなく、その処分方法を間違えると、さらなるトラブルを引き起こす厄介な存在です。 まず、手をつける前に心得るべきなのが、完全防備の重要性です。腐敗した食品は、食中毒の原因となる細菌やカビの温床です。必ず厚手のゴム手袋とマスクを着用し、換気を十分に行いながら作業を始めてください。特に、膨張している缶詰や瓶詰は、内部でガスが発生している可能性があり、開封時に中身が噴き出す危険があるため、慎重に扱わなければなりません。 次に、分別作業で最も頭を悩ませるのが、「中身」と「容器」の扱いです。原則として、食品の中身は「生ゴミ(可燃ゴミ)」、容器は素材に応じて「プラスチック」「瓶」「缶」などとして、それぞれ分別して捨てる必要があります。例えば、賞味期限切れのペットボトル飲料は、中身をトイレや流しに流し、ボトルとキャップ、ラベルをそれぞれ分別します。この時、一度に大量の液体を流すと排水管が詰まる原因になるため、少しずつ時間をかけて流す配慮が必要です。 特に注意が必要なのが、油の処理です。古い食用油をそのままシンクに流すのは、環境汚染や配管の詰まりに繋がるため、絶対にやってはいけません。市販の凝固剤で固めてから可燃ゴミとして捨てるか、新聞紙などに吸わせてから牛乳パックに入れ、しっかりと口を閉じて捨てるのが正しい方法です。 レトルト食品や調味料のチューブなども、できる限り中身を押し出してから容器を洗浄し、自治体のルールに従って分別します。この地道な作業は、時間も手間もかかり、精神的にも辛いものですが、ルールを守って正しく処分することが、衛生的な環境を取り戻すための、そして社会の一員としての責任を果たすための、避けては通れない道なのです。もし、腐敗がひどく、自力での処理が困難だと感じた場合は、無理をせず、片付けの専門業者に相談することも、自分自身の安全を守るための賢明な判断と言えるでしょう。
ゴミ屋敷の自力片付けで見つかる食料品の正しい捨て方